グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF
主要事業
日本の半導体関連株を主要投資資産とする上場投資信託(ETF)の運用。
サマリ
本決算短信は、グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF(2644)の2025年10月期(2025年4月25日~2025年10月24日)の運用状況と財務諸表を示す。純資産残高は37,687百万円となり、前期末の34,332百万円から増加した。特筆すべきは、有価証券売買等損益が前期の約94億円の損失から当期は201億円超の利益に転換したことである。結果として、当期純利益は20,375,520,571円を計上した。1口当たり基準価額は前期末の143,381円から238,092円に大幅上昇したが、100口当たり分配金は1,300円から1,000円に減少した。
AIインサイト
本ETFのビジネスモデルの性質上、企業の戦略意図よりも市場環境への感応度が結果に強く反映されている。2025年10月期における「有価証券売買等損益」の劇的な黒字転換(約201億円)は、この期間において対象指数(FactSet Japan Semiconductor Index)を構成する日本半導体関連株式市場が強力な上昇局面にあり、市場環境が極めて好意的であったことを示している。この市場環境の変化が、他の費用(信託報酬等)を圧倒する形で利益を牽引する最大の要因であり、企業の成長性は市場の動向と不可分であることを示唆する。一方で、基準価額は大幅に上昇したにも関わらず、分配金が前期比で減少している点(1,300円→1,000円)は、収益の大部分がキャピタルゲインとして基準価額に反映されることを優先し、分配に回す比率を調整した(あるいは市場のボラティリティを考慮した)可能性がある。
業績
第8期(2025年4月25日~2025年10月24日)の業績は極めて好調であった。営業収益合計は20,513,820,275円を記録し、前計算期間(第7期:△8,940,225,948円)から大幅な黒字転換を達成した。これは主に「有価証券売買等損益」が前期の△9,393,724,901円から当期は20,165,274,653円へと劇的に改善したことに起因する。営業費用合計は138,299,704円に抑制された。結果、当期純利益は20,375,520,571円となった。
財政状態
貸借対照表において、資産合計は第7期末の34,939,137,698円から第8期末の38,274,833,826円に増加した。この増加は、主に「株式」保有額が34,222,664,730円から37,590,375,450円へ増加したことによる。純資産合計も同水準で増加している。流動負債合計は606,857,109円から587,807,308円へ微減した。純資産の部のうち、「期末剰余金又は期末欠損金」は5,095,646,822円から18,360,075,149円へと大幅に増加しており、当期純利益の蓄積を示している。
キャッシュ・フロー
本決算短信には包括的なキャッシュフロー計算書は提供されていないが、損益計算書から推察される状況は、投資活動(有価証券売買等損益の好調)が極めて大きく現れている。営業収益合計が大幅なプラス(205億円超)となった主な要因は有価証券の売却益や評価益によるものであり、純資産の増加に直結している。一方、分配金支払い額は前期の311,282,751円から当期は158,287,890円へと減少した。
今後の見通し
本テキストには、次期以降の通期の業績見通しに関する記述(フォーキャスト)は含まれていない。提供されているのは、2025年10月期までの実績のみである。
株主還元
当期の100口当たり分配金は1,000円であり、前期の1,300円から減少した。分配金の計算過程によると、当期配当等収益額(306,864,889円)と分配準備積立金(2,740,737円)の合計から経費(137,819,121円)を控除した分配対象額171,786,505円から、158,287,890円が実際に分配された。