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積水ハウス・リート投資法人 3309 monthly chart 3309 weekly chart 3309 daily chart

主要事業

日本を代表するハウスメーカーである積水ハウス株式会社をスポンサーとし、オフィスビル、ホテル及び商業施設等の商業用不動産を中心的な投資対象とする不動産投資信託(REIT)。近年は居住用不動産も主要投資対象としており、国内の安定成長と米国の積極的成長の取り込みを目指している。

サマリ

2025年10月期(当期)は、営業収益19,379百万円、営業利益10,807百万円、経常利益9,518百万円、当期純利益9,516百万円を計上しました。これらは前期比で減収減益となりました。1口当たり分配金は2,329円(前期比36円減)でした。一方、期末の総資産は566,471百万円(前期末比11,087百万円減)となりました。期末自己資本比率は50.8%と前期末の50.3%から微増しました。決算日後には、オフィスビル1物件(御殿山SHビル)の準共有持分のさらなる譲渡や、住居7物件の取得を決定するなど、活発な資産入替を実行中です。

AIインサイト

本投資法人は、国内の「安定成長」と米国不動産の「積極的成長」を組み合わせたポートフォリオ戦略を明確に推進しています。当期は、国内でオフィスビル2物件を譲渡し、住居6物件を取得したことに加え、米国住居1物件の追加取得を行っており、積極的な資産の入れ替えを実行しています。特に、決算後に公表された12物件の売却決定(譲渡予定価格25,200百万円)と7物件の取得決定(取得予定価格30,040百万円)は、ポートフォリオの収益性改善と成長機会の拡大を目的とした戦略的な再編意図を示しています。賃貸市場環境については、国内住居・オフィス賃料の上昇を好材料視しつつ、次期の見通しでは資産売却に伴う一時的な増益を見込んでおり、分配金の安定・向上を目指す姿勢が伺えます。財務戦略では、LTVを45%~50%に維持する保守的な方針を堅持しており、安定したREIT運営を優先する姿勢が明確です。ESGへの取り組みとしてグリーン認証取得率89.5%達成やCDPでの最高評価取得など、環境配慮を重視する明確な優先順位が見て取れます。

業績

2025年10月期(当期)の業績は、営業収益19,379百万円(対前期比 △1.1%減)、営業利益10,807百万円(対前期比 △4.1%減)、経常利益9,518百万円(対前期比 △6.0%減)、当期純利益9,516百万円(対前期比 △6.0%減)となりました。1口当たり当期純利益は2,199円(同 3.3%減)でした。営業収益の減少は、前期に計上された不動産等売却益(5,219百万円)が当期には減少(5,264百万円の計上はあるものの、損益計算書上の営業収益合計の変動と一致しない部分あり、詳細な内訳注記を参照。前期比で賃貸事業収益は増加傾向を示唆)したことに起因しています。損益計算書上では、前期に計上された減損損失338百万円が当期では計上されなかったことが利益に寄与しています。

財政状態

2025年10月31日時点の総資産は566,471百万円(前期末577,558百万円)、純資産合計は287,624百万円(前期末290,516百万円)となりました。自己資本比率は50.8%(前期末50.3%)となり、僅かに上昇しました。主な変動要因として、関係会社出資金が前期末の137,936百万円から当期末の94,983百万円へと大幅に減少しており、これは米国LLCへの出資の増減に伴うものです(投資活動CFでの大規模な支出と関連)。総資産LTV(有利子負債総額/資産総額)は47.0%(266,442百万円 / 566,471百万円)で、財務戦略の巡航レンジ(45%~50%)内に保守的に運営されています。

キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは67,356百万円と前期(28,350百万円)から大幅に増加し、好調な賃貸収益等を反映しています。投資活動によるキャッシュ・フローは前期の△40,784百万円から△52,610百万円へ流出額が増加しており、これは主に国内外の不動産関連の投資(関係会社出資金の支出、信託有形固定資産の取得)によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期の9,203百万円の収入から当期は△19,299百万円の支出に転じており、これは主に借入金・投資法人債の返済や分配金の支払いが先行したためです。

今後の見通し

2026年4月期(第23期、181日間)の見通しでは、営業収益22,336百万円(対当期比 +15.3%)、営業利益13,458百万円(+24.5%)、経常利益11,952百万円(+25.6%)、当期純利益11,949百万円(+25.6%)と大幅な増収増益を見込んでいます。これは、決算後に決定した12物件の譲渡による不動産等売却益7,684百万円(2026年4月期)の計上を見込んでいるためです。2026年10月期(第24期)は、営業収益17,370百万円(対2025年4月期比 △22.2%)、当期純利益8,074百万円(同 △32.4%)と、売却益の計上がないため反動減を見込んでいます。

株主還元

2025年10月期(当期)の1口当たり分配金は2,329円(うち利益超過分配金118円)でした。分配金総額は10,023百万円で、配当性向は100.5%でした。利益超過分配金は、所得超過税会不一致が分配金に与える影響を考慮して、一時差異等調整引当額(ATA)として507百万円を充当し分配しています。次期2026年4月期の予想分配金は3,384円(利益超過分配金608円を含む)と、当期実績から大幅な増額を見込んでいます。

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