株式会社グッドコムアセット
主要事業
自社ブランド新築マンション「GENOVIA（ジェノヴィア）」シリーズの企画・開発及び販売、不動産ファンド事業、M&Aを通じた事業多角化・拡大。
サマリ
2025年10月期（2024年11月1日～2025年10月31日）の連結業績は、売上高54,581百万円（前期比8.7％減）、営業利益2,935百万円（同46.2％減）、経常利益2,586百万円（同47.6％減）、純利益1,521百万円（同54.2％減）と減収減益となりました。これは、建築費高騰を背景としたマンション価格上昇により主要顧客である公務員層への販売が減少したことに起因します。一方で、不動産ファンド組成やM&A（Livenup Groupの連結子会社化）を推進し、資産基盤を強化しました。来期は、仕入拡大と販売強化により過去最高の業績を目指すとしています。
AIインサイト
企業の戦略意図として、既存の不動産開発・販売事業（ホールセール、リテールセールス）の収益性低下を補うため、M&A（Livenup Groupの連結子会社化）を通じた事業の多角化と成長戦略の推進を明確に示しています。前年度に純利益が大幅に減少したにも関わらず、2026年10月期には売上高45.3％増、純利益198.4％増という極めて高い成長目標（過去最高水準）を設定しており、強い成長への意思が読み取れます。ただし、主要顧客層の販売戸数減少という現実的な課題（危機意識）を抱えており、今後の業績達成には新規顧客層へのアプローチ強化や、M&Aによるストック型収益の確立が不可欠であると判断されます。Livenup Groupの損失計上は一時的であると見なされ、成長の牽引役として期待されています。
業績
当期（2025年10月期）の連結業績は、売上高が54,581百万円（前期比8.7％減）、営業利益が2,935百万円（同46.2％減）、経常利益が2,586百万円（同47.6％減）、親会社株主に帰属する当期純利益が1,521百万円（同54.2％減）となりました。セグメント別では、主力であるホールセールが売上高39,422百万円（同11.1％減）、利益3,692百万円（同0.7％減）と堅調に推移したものの、リテールセールスは売上高9,758百万円（同24.2％減）、セグメント損失1,236百万円（前年同期は利益728百万円）と大幅に悪化しました。Livenup Groupは売上高3,054百万円を計上しましたが、取得関連費用等によりセグメント損失318百万円を計上しました。
財政状態
当期末の総資産は46,289百万円（前年度末比17.3％増）、純資産は14,546百万円（同4.4％増）となりました。自己資本比率は30.7％（前期35.3％）に低下しました。流動資産では仕掛販売用不動産や販売用不動産が増加した一方、固定資産では投資有価証券が1,855百万円増加しました。負債面では、販売物件取得等に伴い長期借入金が5,616百万円増加し、固定負債合計は18,141百万円（同49.0％増）となりました。
キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益はあったものの、仕入債務の減少額が大きかったため、1,102百万円の資金減少となりました（前年は25,861百万円の資金増加）。投資活動によるCFは、投資有価証券の取得（1,831百万円）や連結範囲変更に伴う子会社株式の取得（443百万円）により、2,553百万円の資金減少となりました。財務活動によるCFは、長期借入れによる収入30,880百万円が長期借入金の返済（27,536百万円）を上回ったため、1,531百万円の資金増加となりました。期末の現金及び現金同等物は9,516百万円となりました。
今後の見通し
2026年10月期の連結業績予想は、売上高79,281百万円（前期比45.3％増）、営業利益7,729百万円（同163.3％増）、経常利益6,843百万円（同164.6％増）、親会社株主に帰属する当期純利益4,540百万円（同198.4％増）と見込まれており、過去最高の売上及び利益を予想しています。これは、ホールセールでのファンド販売継続、リテールセールスでの富裕層販売強化、Livenup Groupの成長、管理物件増加による安定ストック収入の増加、およびM&Aによる事業拡大を背景としています。
株主還元
2025年10月期は、1株当たり期末配当金45.00円（合計）、配当性向84.4％で実施されました。2026年10月期は、期末配当金46.00円（合計）を予想しており、増配の意向を示しています。