サンバイオ株式会社
主要事業
他家幹細胞を用いた細胞治療薬事業。主な対象はアンメットメディカルニーズが高い中枢神経系疾患であり、細胞治療薬SB623の事業化を目指す。
サマリ
当第3四半期連結累計期間は、アクーゴ®の製造販売承認事項一部変更承認取得に関連する費用が先行し、研究開発費が増加した結果、営業損失が拡大した。為替差損の発生も影響し、経常損失、純損失ともに前年同期比で悪化している。財政状態については、現金及び預金の減少により流動資産が減少したが、転換社債型新株予約権付社債の増加により固定負債が増加し、純資産合計は大幅に減少した。今後はアクーゴ®の薬価収載と発売、米国での外傷性脳損傷プログラムのフェーズ3準備、国内脳梗塞プログラムの臨床試験協議開始など、中長期的な成長戦略の推進に注力する方針である。
AIインサイト
企業の戦略意図は、日本国内での細胞治療薬「アクーゴ®」の市場導入を完了させつつ、中長期的な企業価値最大化のため、米国市場での外傷性脳損傷プログラム(フェーズ3準備)および国内での脳梗塞プログラム(臨床試験協議開始予定)といった次世代パイプラインの研究開発に明確にシフトしている点にある。優先順位は、承認取得済みの製品の商業化準備(国内普及体制構築、市販後臨床試験実施)と、米国でのフェーズ3準備という二軸で進行している。危機意識としては、巨額の損失が続く中での継続的な資金調達(コミットメントライン締結、新株・転換社債発行)が不可欠であり、健全な財政状態維持が最優先事項であることが示されている。ビジネスモデルは、単一セグメント(他家幹細胞を用いた細胞治療薬事業)であり、特定疾患領域への集中戦略を維持している。
業績
当第3四半期連結累計期間の業績は、事業収益の記載はなく、営業損失は2,673百万円(前年同期は2,482百万円の損失)、経常損失は3,159百万円(前年同期は1,999百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は2,713百万円(前年同期は2,152百万円の損失)となった。研究開発費は1,920百万円を計上した。営業外費用では為替差損395百万円が発生したことが経常損失の拡大の主な要因である。
財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は2,406百万円(前期末3,447百万円)と1,041百万円減少し、主な要因は現金及び預金が1,015百万円減少したことである。純資産合計は492百万円(前期末1,762百万円)と1,270百万円減少した。これは、親会社株主に帰属する四半期純損失2,713百万円の計上が大きい。一方で、第三者割当増資等による資本金・資本剰余金の増加(合計約1,025百万円の増加要素)があった。負債面では、転換社債型新株予約権付社債が1,101百万円増加した結果、固定負債が525百万円増加し、負債合計は1,914百万円となった。
キャッシュ・フロー
本短信では、四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、具体的な営業、投資、財務CFの数値は提供されていない。ただし、財政状態の概況から、流動資産の主な減少要因が現金及び預金の1,015百万円の減少であることが示唆される。また、この四半期中にコミットメントラインの締結、新株式及び転換社債の発行による資金調達を実施したことが記述されている。
今後の見通し
2026年1月期の通期連結業績予想について、2025年9月12日に公表された予想からの修正はなく、事業収益の予想は記載されていない。営業損失△3,920百万円、経常損失△4,530百万円、親会社株主に帰属する当期純損失△4,045百万円、1株当たり当期純利益△56.17円を据え置いている。
株主還元
2026年1月期(予想)の年間配当金は、第1四半期末、第2四半期末、第3四半期末、期末ともに0.00円であり、合計も0.00円と予想されている。直近の配当予想からの修正はない。