株式会社軽自動車館
主要事業
軽自動車の中古車販売事業
サマリ
当期(2025年5月1日~10月31日)は決算期変更により6か月決算となった。新車供給遅れによる中古車流通の鈍化があったものの、国内軽自動車中古販売台数は前年同期比102.0%と増加した。不採算店舗の閉鎖と仕入コスト上昇分の価格転嫁を推進し、売上高2,366百万円、営業利益74百万円を計上し、前期の純損失から黒字転換を達成した。足元の収益改善を最重要課題としつつ、次期はさらなる成長に向けた投資を計画している。
AIインサイト
企業の戦略意図として「収益の改善と内部留保による成長投資の最大化」が最優先されている。前期の純損失から当期は大幅な黒字転換を果たした背景には、不採算店舗の閉鎖(札幌南店)と、仕入コスト増を販売価格へ転嫁する価格戦略の実行が明確に見られる。これは、不透明な経済環境下で、まずは収益構造を安定化させることを最優先課題とした結果である。次期予想では売上高が約2倍に拡大する見込みであり(6か月比)、成長への意思が強いが、配当をゼロとして利益を内部留保に回す方針は、現時点では成長投資(特に新規出店)を最も重要視するフェーズにあることを示唆している。また、中古車販売業界がEV化やオンライン化など変化の渦にあるとの認識を示しており、環境変化への対応(経費削減と業務効率化)も並行して進める計画である。
業績
当事業年度(6か月)の業績は、売上高が2,366百万円、営業利益が74百万円、経常利益が69百万円、当期純利益が50百万円であった。前事業年度(12か月)と比較すると、売上高は4,181百万円から2,366百万円へ、営業利益は9百万円から74百万円へと大幅に改善(対前期増減率は決算期変更のため非表示)。当期純利益率は21.3%(前期は△2.0%)に改善した。
財政状態
当事業年度末の総資産は1,525百万円(前期末1,501百万円)、純資産は259百万円(前期末209百万円)となった。純資産増加の主な要因は、当期純利益50,055千円の計上による利益剰余金の増加である。自己資本比率は17.0%に上昇した(前期末14.0%)。流動資産は現金及び預金が30,856千円増加したことで増加。固定負債は長期借入金が30,054千円減少し、流動負債も短期借入金が18,750千円減少した。
キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは82,059千円のプラス(前期は△97,614千円)と大幅に改善し、税引前当期純利益71,635千円の計上が主な要因。投資活動によるCFは△45千円(前期は△0千円)とほぼ横ばい。財務活動によるCFは△51,157千円のマイナスとなり、短期借入金(18,750千円)および長期借入金(30,054千円)の返済が主因。現金及び現金同等物は期末残高133,049千円(前期末102,193千円)となり、30,856千円増加した。
今後の見通し
2026年10月期(通期、12か月)の業績予想は、売上高4,838百万円、営業利益80百万円、経常利益65百万円、当期純利益42百万円を見込んでいる。対前期増減率の記載はないが、前期(6か月)の実績を基にすると大幅な成長を見込んでいる。収益改善の継続と経費削減・業務効率化を主な推進策とする。
株主還元
今後の利益配分に関する基本方針として、将来的には株主への利益還元を実施する方針である。しかし、現時点では成長段階にあるため、利益を内部留保し、新規出店に係る投資等に充てることで企業価値の最大化を目指すとしている。現時点での配当予測は「未定」であり、当期・次期ともに配当額は0円(予想)。