株式会社ミロク
主要事業
猟銃(散弾銃、ライフル銃、猟銃関連商品)の生産及び販売、工作機械(深穴加工機、超精密研磨機、深穴加工用工具)の生産・販売及び穴明加工業務、並びにクラウドシステムの開発及び販売(クラウドソリューション事業)。その他、自動車関連事業や木材関連事業。
サマリ
2025年10月期は、売上高が前期比14.7%増の12,518百万円と増収となりました。しかし、親会社株主に帰属する当期純損失は2,525百万円(前期は2,294百万円の損失)と赤字幅が拡大しました。これは主に猟銃事業における2,512,984千円の減損損失計上が影響しています。一方で、営業損失は前期の519百万円から24百万円へと大幅に改善し、経常利益は211百万円の黒字に転換しました。貸借対照表では、純資産が2,572,601千円減少し、自己資本比率は58.9%から49.1%に低下しました。配当は前期比で減額され10円となりました。2026年10月期は減収減益を見込むものの、補助金を見込み純利益は大幅な黒字回復予想です。
AIインサイト
企業の戦略意図として、収益性の低下した資産(猟銃事業関連の一部資産)に対して、2025年10月期に25億円超の減損損失を計上したことは、事業構造の早期再編と財務健全化への強い意思を示しています。セグメント別では、猟銃事業が黒字回復したものの、次期予想では受注減を見込み慎重な姿勢です。一方、工作機械事業の加工部門を成長の核として安定・強化を図り、クラウドソリューション事業では新規顧客獲得を最優先するなど、事業ポートフォリオの最適化と成長分野への注力という優先順位の変化が読み取れます。また、純資産比率が約5ポイント低下しており、財務基盤の維持・強化が今後の課題となりつつあります。
業績
売上高は12,518百万円(対前期比14.7%増)と堅調に推移しました。しかし、営業損失は24,598千円(対前期519,127千円の損失から大幅改善)となり、経常利益は211,059千円(対前期263,073千円の損失から黒字転換)でした。親会社株主に帰属する当期純損失は2,525,115千円(対前期2,294,180千円の損失)と赤字幅が拡大しました。セグメント別では、猟銃事業の売上高が10,680,423千円(16.1%増)でセグメント利益は117,643千円(前期は444,081千円の損失)と黒字化しましたが、この事業で2,512,984千円の減損損失を計上しました。
財政状態
総資産は21,869,169千円(前期末比750,684千円減少)となりました。負債合計は11,121,383千円(前期末比1,821,917千円増加)となり、主に短期借入金(760,000千円増)と長期借入金(1,120,000千円増)の増加によるものです。純資産合計は10,747,786千円(前期末比2,572,601千円減少)であり、主に利益剰余金が2,546,123千円減少したことが要因です。結果として、自己資本比率は前期末の58.9%から49.1%に低下しました。
キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは1,236,749千円の収入となり、前年の41,983千円の支出から大幅に改善しました。これは主に減損損失2,512,984千円の計上が影響しています。投資活動によるキャッシュ・フローは2,463,804千円の支出(前年3,360,520千円の支出)で、主に有形固定資産の取得による支出(2,342,472千円)によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは1,590,783千円の収入(前年3,309,243千円の収入)となり、長期借入による収入(1,320,000千円)や短期借入による収入(760,000千円)が寄与しました。
今後の見通し
2026年10月期通期の連結業績予想は、売上高12,200百万円(前期比2.5%減)、営業損失100百万円(前期は24百万円の損失)、経常利益60百万円(前期比71.6%減)を見込んでいます。親会社株主に帰属する当期純利益は610百万円(前期は2,525百万円の損失)と大幅な黒字回復を見込んでいますが、これは日章工場に関わる補助金を想定しているためです。業績見通しは、猟銃事業でブローニンググループからの受注が減少に転じると予想するなど、不透明な世界経済や原材料高騰のリスクを考慮しています。
株主還元
2024年10月期は合計12.00円/株の年間配当でしたが、2025年10月期は合計10.00円/株(中間5円、期末5円)に減配となりました。2026年10月期(予想)も引き続き10.00円/株を予定しています。配当性向は0.2%(2025年10月期、2024年10月期)で推移しており、純資産配当率は共に0.2%です。