スターツプロシード投資法人
主要事業
主に賃貸住宅及びこれに関連する不動産(マンスリーマンション、サービスアパートメント、ホテル、高齢者向け施設を含む)への投資を運用中心とする不動産投資信託(REIT)。平均的な所得層を対象とした賃貸住宅への投資を基本方針としている。
サマリ
2025年10月期は、営業収益3,642百万円(対前期比△4.8%)、営業利益1,577百万円(同△8.2%)を計上しました。ポートフォリオ競争力向上のため物件取得・譲渡を実施し、期末の保有資産は107物件となりました。稼働率は安定的に推移し、ESG活動としてGRB/GRESB評価で「1スター」「Bレベル」を取得しています。投資口1口当たり分配金は4,433円で、利益超過分配金392円と合わせて計4,825円の分配を実施しました。来期(2026年4月期/10月期)の見通しは、概ね横ばいを見込んでいます。
AIインサイト
本投資法人は、賃貸住宅を核としつつ、マンスリー、ホテル、高齢者向け施設など周辺領域への投資を拡大する方針を明確に示しています(外部成長戦略)。これは、賃貸住宅市場の安定需要を背景に、運用資産の着実な成長と安定収益確保を目指す戦略の現れです。一方で、当期は営業収益・利益ともに前年同期比で減少しており(営業収益△4.8%、営業利益△8.2%)、資産売却((C-12)プロシード幕張本郷2の譲渡)の影響が業績に反映されています。また、資産規模拡大と並行して「一部小型物件や築年数が経過した資産の譲渡も引き続き並行して検討」としており、積極的なポートフォリオの入れ替え(アクティブ・マネジメント)を通じて収益性の維持・向上を図る姿勢が見られます。財務面では、グリーンボンド発行や金利スワップ導入により、資金調達の多様化と金利上昇リスクヘッジを積極的に進めており、財務基盤の強化を優先事項としていることが伺えます。
業績
当期(2025年10月期)の業績は、営業収益3,642百万円(対前期比△4.8%)、営業利益1,577百万円(同△8.2%)、経常利益1,208百万円(同△12.7%)、当期純利益1,207百万円(同△12.7%)となりました。前期末と比較し、総資産は101,988百万円から101,715百万円(△273百万円)へ微減、純資産は46,984百万円から46,701百万円(△282百万円)へ減少しました。ポートフォリオ全体の期末稼働率は96.9%、平均稼働率は97.2%と安定的に推移しました。
財政状態
当期末(2025年10月31日)の総資産は101,715百万円(前期末101,988百万円)、純資産は46,701百万円(同46,984百万円)でした。自己資本比率は45.9%(前期末46.1%)となり、わずかに低下しました。有利子負債残高は53,246百万円で、期末総資産有利子負債比率は52.3%でした。
キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは2,155百万円(前期4,334百万円)と大幅に減少しました。投資活動によるキャッシュ・フローは▲1,220百万円(前期▲328百万円)と投資超過となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは▲1,487百万円(前期▲3,247百万円)で、これは主に利益分配金の支払額等によるものです。期末現金及び現金同等物残高は3,876百万円でした。
今後の見通し
2026年4月期(中間期)予想は、営業収益3,618百万円(対前期比△0.7%減)、営業利益1,548百万円(同△1.9%減)、当期純利益1,160百万円(同△3.9%減)を見込んでいます。2026年10月期(通期)予想は、営業収益3,613百万円(対前期比△0.1%減)、営業利益1,571百万円(同1.5%増)、当期純利益1,146百万円(同△1.2%減)を見込んでいます。分配金については、1口当たり4,600円(利益超過分配金含む)を見込んでおり、利益超過分配金は引き続き392円を予定しています。資産の異動がない前提です。
株主還元
当期の投資口1口当たり分配金は4,433円(利益超過分配金を含まない)で、利益超過分配金392円と合わせて合計4,825円を分配しました。配当性向は100.0%(利益超過分配金を除く)でした。利益超過分配金として、一時差異等調整引当額13百万円、出資の払戻しとして93百万円を分配しています。次期も1口当たり利益超過分配金は392円を継続する見通しです。