株式会社アイビスホールディングス
主要事業
就労継続支援B型事業及び施設外作業所事業を中心とした就労支援サービス事業
サマリ
2025年10月期は、就労継続支援B型事業及び施設外作業所事業における2024年4月実施の報酬改訂の影響がプラスに寄与し、売上高は1,094百万円(前期比22.3%増)と堅調に推移しました。利益面では、将来の収益基盤強化に向けた戦略的投資(人件費、設備投資等の諸経費)が先行したものの、各利益は大幅に増加しました。特に親会社株主に帰属する当期純利益は35,284千円(前期比1,305.0%増)を達成しました。一方で、財務面では事業拡大に伴い、短期借入金や長期借入金が増加し、資産合計も増加しています。2026年10月期は更なる成長を見込み、増収増益を計画しています。
AIインサイト
企業の戦略意図として、障害者福祉サービス市場における事業拡大と収益基盤強化が明確です。2025年10月期は報酬改訂の恩恵を受けつつも、「将来の収益基盤強化に向けた戦略的投資として人件費、設備投資等の諸経費が先行して発生」したと述べており、これは将来的なサービス品質向上や事業規模拡大への布石と考えられます。また、連結範囲の変更として、株式会社HUGアイビスの除外と株式会社スマイルライフの新規取得があり、事業ポートフォリオの最適化を進めていることが伺えます。市場環境認識としては、政府の方針加速による市場の追い風を認識しつつも、業界全体での不正受給や管理監督の厳格化という危機意識も持っています。そのため、来期は売上成長率(26.5%増)を上回る利益成長率(当期純利益201.7%増)を計画しており、効率化と質の高い支援提供が最優先課題となっていると分析できます。
業績
2025年10月期の連結業績は、売上高が1,094百万円(対前期比22.3%増)、営業利益は40,651千円(対前期比61.4%増)、経常利益は45,761千円(対前期比78.9%増)と大幅に伸長しました。親会社株主に帰属する当期純利益は35,284千円(対前期比1,305.0%増)となりました(前期は2,511千円)。売上高の伸びは、報酬改訂がプラスに寄与したことによるものです。当期純利益率は7.0%(前期2.8%)に改善しました。
財政状態
総資産は736,830千円となり、前期末(571,057千円)比で165,773千円増加しました。主な要因は、流動資産(現金及び預金、売掛金)と固定資産(差入保証金、長期貸付金)の増加です。純資産は161,277千円(前期末125,993千円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により35,284千円増加しました。自己資本比率は21.9%(前期22.1%)とほぼ横ばいを維持していますが、負債合計が130,488千円増加(主に短期借入金100,000千円増加)したため、比率は微減しました。
キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは30,450千円のプラスとなり、前年の9,102千円から増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上(55,218千円)によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは93,054千円の支出超過となり、主な要因は連結範囲の変更に伴う子会社株式の取得による支出(45,655千円)などによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは98,590千円のプラスとなり、短期借入(100,000千円)及び長期借入(35,000千円)が、長期借入金の返済(36,410千円)を上回りました。期末の現金及び現金同等物は203,689千円(前期末比35,986千円増加)となりました。
今後の見通し
2026年10月期の通期業績予想として、売上高1,384百万円(対前期比26.5%増)、営業利益136百万円(対前期比253.7%増)、経常利益140百万円(対前期比206.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益106百万円(対前期比201.7%増)を見込んでいます。市場環境は引き続き良好と見込まれる中、不採算事業所の改善と運営効率の向上を通じて、大幅な増益を計画しています。配当予想は現時点では未定です。
株主還元
2024年10月期、2025年10月期ともに年間配当は0.00円であり、配当実績はありません。2026年10月期の配当予想も現時点では未定です。